15年目に思う

日付は忘れてしまったが、パートナーと初めて会ったのが、2003年5月のある日だった。

僕は、パートナーを「しょうちゃん」と呼んでいるので、以降はそう書くことにする。

しょうちゃんと付き合って、丸14年が過ぎて、15年目に突入することになる。

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今や「10年以上付き合っているよ」というゲイカップルもたくさんいる。
別に15年付き合っているからって、珍しがられることもない。


でも、僕らは珍しがられる。
僕が19歳で、しょうちゃんが28歳の時に出会って、今でも続いているからだ。


男女だったら、未成年で結婚をして子育てをして、というのはあるけど。
未成年から、ずっと付き合っているというゲイは、なかなか見かけない。というよりも、自分以外には知らない。


僕は、高校時代から恋愛至上主義者だった。
「愛する男性と一生を共にしたい!!」なんて、乙女思考の持ち主だった。


17歳のころから、ゲイ専用の出会い系サイトとかを使っては、彼氏を探していた。
放課後に制服から私服に着替えてこっそりデートしたりもした。
当時の自分は必死だったけど、今の自分だったら「高校生が何をしとるんじゃ?」って思うだろうな。
実際に、何人か会って、セックスもしたことがある。


我ながら、ものすごく不良生徒だったなと思う。
でも、学校や家では思いっきり優等生の仮面を被っていた。
男とデートする時は「図書館で勉強してくる」と嘘をついていた。
嘘がばれないように成績も上位を維持しては、先生や家族にも反発することなかった。
放課後や休日に男とデートをしているなんて、誰も思いもしていなかっただろうな。


でも、これだけは胸を張って言える。
僕は真剣だった。本気で一生を共にする相手を見つけたい。
遊び気分でデートとか出会い系サイトをやっていたわけじゃない!!


それなのに、出会ってもすぐに関係が終わってしまった。
1回セックスをしたら、音沙汰無くなってしまったり、
何回かのデートで「もう付き合いきれない」と言われたり。


なんで、自分はこんなに真剣なのに、相手はそうじゃないんだろう?って地団駄を踏む思いばかりしていた。
今の自分なら言える。高校生の若造が、一生の相手とか、なに寝言を言っているんだろうと思う。
実際に、今の自分が高校生から告白されたら、戸惑うかもしれない。


そして、19歳の時にしょうちゃんに出会った。
初めて会った時から「僕は愛する人と一緒に暮らしたい願望がある」と熱弁してしまった。
しょうちゃんは「自分はそんな気持ちは全くないけど」とかなり温度差があった。


しょうちゃんと別れたとき、僕は「この人と付き合うことはないんだろうな」と思っていたけど、翌日にメールがあって「良かったら週末に一緒に代々木公園を散歩しませんか?」と誘いがあった。


なんで、代々木公園?と思ったけど、断る理由もないから、次の土曜日に公園を散歩した。ベンチに座ってジュースを飲みながらおしゃべりしたり。


今まで出会ってきた男は、デートと言えば飲み屋だったり、ホテルだったりしたけど、
公園に誘ってくれた人はしょうちゃんが初めてだった。
もっとこの人と穏やかな時間を過ごしたい!!そう思えた。
一緒に暮らせなくても、この人と付き合いたいと思った。


そして、出会ってから1か月後のこと。
しょうちゃんからメールがあった。
「ちょっと考えたけど、よかったら一緒に暮らしませんか」と、まったく思いもしなかった言葉が出てきた。
それこそ、二つ返事で「是非とも一緒に暮らしたいです!!」と即刻で返信した。


そして、両親にしょうちゃんを紹介して、いろいろ心配されながらも、同棲することを認めてもらった。
しょうちゃんに出会って、半年経たずの2003年10月から同棲を始めた。


僕に対して「よく19歳から、そういうことをしようと思ったね。すごいね」なんて言われるけど、僕は自分の気持ちに素直に生きてきただけで、本当にすごいのは、こんな僕を受け入れたパートナーと両親だと思う。


長くなったので、続きはまた明日。