不器用だから

くどいようだが、僕は手先が不器用である。


料理するにしても包丁の扱いが下手なので、食材を切るのに時間がかかるし、千切りとかも太くなる。リンゴとかも包丁で皮を剥くことができない。


洗濯もきれいに干すことができない。僕が干すとしわくちゃになるから「洗濯はやらなくていい!!」としょうちゃんに言われてしまう。


漫画を描くにしても、思い切り不器用さを発揮してしまう。まっすぐに線を引きたいのに、必ず歪んでしまう。


じゃあ線をキレイに描けるように練習すればいい


そりゃそうだ。そんなこと言われなくても百も承知している。でも、どんなに練習しても不器用を直すことはできない。


僕は聴覚に障害がある。生まれつきのもので、永久的に聴力を得ることはできない。
「聞こえるようになれ」と言われても、どうしようもない!!


だけど、手話や筆談など、工夫次第で他人と会話することができる。
できないことはできないにしても、それをカバーしていくことはできる。


僕が漫画の画材にシャープペンシルを選んだのもそれが理由だ。
つけペンやマーカーの線はシャープなので、線の歪みがはっきりと出てしまう。
けれど、シャープペンシルの、柔らかくてざらついた線は、線の歪みをカバーしてくれる(気がする)。


それ以来、シャープペンシル一本で絵を描き続けてきた。
今となっては「線の歪みもあきらっちの個性」として確立しつつある(気がする)。


自分が不器用でなければ、シャープペンシルで絵を描くこともなくて、独特の画風が生まれることもなかっただろう。
そういう意味では不器用で良かったのかもしれない。

 

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